かつて、この地では、炭坑夫たちが石炭を掘るために、深い地の底に潜っていました。一度潜ると、もう二度と目にすることができないかもしれない光という存在。炭坑夫たちの目にうつる光は、きっと特別なものだったのではないかと想像します。近代化が進む激動の時代、社会が持つ強いエネルギーの渦中に、様々な先人たちの生き様が存在していました。その先人たちの生き様から感じるのは、何より生きることに対する強いエネルギーです。
今、私たちが生きる時代は、VUCAの時代と言われるように複雑で解決が困難な問題が絡み合い、先の見えない闇の中を歩んでいるようです。未曾有の自然災害、いつ何が起こるか予測不可能なこの時代、闇があるからこそ、感じる光、光があるからこそ、存在する闇、それらをどう捉え、先の未来を歩んでいくのか、作品の創造プロセスを通じて、持続可能な地域社会のあり方を考える契機とします。