今回の展示は、ゴミを通じて得た私たちの価値の転換プロセスが表現されたものになりました。
創作のために、私たちは幾度となく海に足を運び、ゴミを拾い、波や風の音を拾い、そこに訪れる釣り人やゴミを拾う人などさまざまな人と言葉を交わしました。
一つの気づきは、ゴミという存在は、人間が決めた価値の基準にしか過ぎないということです。
私たちは、創作するための資材として、ゴミに新たな目的を見出し、拾い集めました。
そうすることで、ゴミはゴミでなくなり、時には宝物のような存在に変わりました。
そして、ゴミ…言い換えると海に漂うもの達には、さまざまなストーリーが存在し、そして、視点を変えると、さまざまな声が聴こえてくることに気付きました。
今回、写真のコラージュ作品「ただようものたち」と、インスタレーション(インタラクティブアート)「物の声 波の声 を 照らす」の2点を創作しました。
インスタレーションでは、ゴミ達に海で撮影した写真をプロジェクターで投影し、さらにカメラを使い会場内を再撮影したものを投影することで、来場者も参加できる仕組みをつくりました。
来場された方の中には、これがゴミだなんて思わなかった、ゴミの見方が変わったとおっしゃっていただいたた方もいました。